経営者

知らないと怖い5Sの深層

企業さんの仕事でたまに社内間のコミュニケーションがどうなっているか?というところがあります。

ある時某企業で、部長さんから「Aさんに伝えてくれ」と連絡が入りました。Aさんとは、その会社で部長の斜め前に座っている社員さんで、部長の直部下で、私は社外の人間なのです。

日ごろもその部署では、目の前にお互いがいるにも関わらずメールで上下間の会話(大事な連絡のみ)をしていたと言います。

また、別のある企業では、Bさんから進行状況を聞かれました。しかし、私はその会社の担当Cさんと連携して進めているので、日々社内でCさんに聞けばすむことなのです。

どちらの企業も経営者は、ほとんど会社にいません。

多分、社内がそういう関係になっていることも気づいていないと思います。なぜなら、業績は悪くないから。

しかし、前述の部長と社員で直接会話をしない会社は数年後倒産しました。売上は数十億あった会社です。BさんとCさんの会社も実は、倒産した会社と同業種なのでちょっと心配です。

さて、5Sというのは、社内の片づけとか清掃と思っている経営者、会社員も多いです。1人企業や親族だけの会社は当てはまりませんが、組織になっている会社では、環境の悪さ云々より社内コミュニケーションの悪さが外からみると際立っています。

社長や役員、管理職が社内のコミュニケーションを面倒くさがっている。つまり、上下間でコミュニケーションをとらないから、散らかっていても言わない、または気づかない。

目に見える部分が散らかっている、乱れているということは、在庫であったり、業務であったり、データであったり、全ての目に見えない物、コトが実は煩雑になって、経年によりコストの圧迫、売り上げの低下という事態を招いている企業は多い。

会社の業績が悪化した段階で困った!と動くよりも、日々5Sの浸透からコミュニケーションをとっていく。そこが土台になるように根気強く会社内で根付かせることが大事だと多くの企業を回り常々感じています。

なぜなら、5Sは出来ていて当たり前のことだから。

5Sが全く出来ていない、汚い社内、在庫や備品は適当、業務のルールもない。だけど売り上げが右肩上がり、業績バッチリ、上場間近!なんて会社は無いからである。環境整備が徹底している会社は、社内の風通しもよく、業務が上手く回っているのです。

しかし、自社のことは実はきちんと見えていない。「自社は出来ている」「そういうところに問題はない」「社員同士は上手くいっている」と思いこんでいる会社が99%だと肌で感じています。

冷静に判断できるのは「よそ者」だけです。

コメントを残す

*